November 9, 2009
日本のアート系(笑)クリエイター(乙幡さんとか、テクノ手芸部とか)の作品がすごく生臭いんだけど、なんとかならんのか。鰯とか筋子とかにLED仕込んで光らせる意味ってなんなんだ。
November 7, 2009

ahora-aqui:

ニューオリンズ -1980年・夏-

南を。ミシシッピー川を見なければ。何かを見つけに出かけ自分を見失ったアメリカでの一年が終わろうとしていた。スーツケースひとつから段ボール数個分に増えた荷物を船便で送り返し、ちいさなカバンひとつでニューオリンズに向かった。地図を持たず街を歩いた。写真を何枚か撮った。ある日は世界という名前のカフェでフランス風のドーナツを食べて過ぎた。ある日はホテルの無人の水のないプールで足元を冷やかすトカゲ相手にビールを飲んで過ぎた。夜はジャズを聴き観光客相手のストリップを見学し川を見下ろすバーで飲んだ。雨ばかり降った。水かさの増した灰色のミシシッピーが船をのせ忙しく流れていた。

ここで、そして今の自分には多分どこに行っても、さがしものはみつからない。帰ろう。壊れてしまう前に。5日目の朝、空港へ向かうバスにのった。黒人の青年が運転する無料のシャトルバスは、街の何カ所かのホテルをまわり空港までの客を待った。飛行機の搭乗には不便な時間だったのかもしれない。バスは結局私ひとりを乗せ空港に向かうハイウェイを走り出した。

Fuck! 数分後、ドライバーが突然大声でしゃべりはじめた。人を日々を呪うコトバ。腹の底から溢れ出る怒号。ハンドルを握り前を見据えたまま途切れることなくつづく叫び。長い時間が過ぎ、忘れられた客を乗せたバスは空港ターミナルに着いた。車が止まり立ち上がって通路を前へ歩き始めた時、バックミラーで目が合った。青年は運転席から飛び上がり出口で私を迎えた。

Sorry,madam. I thought I was alone. 私の頭上30センチほどで目を伏せ彼はそう言った。彼はmadamと言った。到着までの車内で、私はずっと、コトバを探していた。フッと肩の力が抜けるようなコトバを。マイノリティー同士で交わすコトバを。彼は私をmadamと呼んだ。ジーパンにTシャツの東洋人の子供のようなの女に向かって敬語で謝った。喉が狭くなった。コトバが詰まって出てこない。かわりに涙がこぼれそうになった。あわててチップに用意した5ドル札を差し出した。No,madam. I can’t. 肩からまっすぐぶら下がる腕をとり掌にお札を押し込んで逃げるようにバスを降りた。涙がこぼれた。

何を問うているかわからなからない問いが、こたえに出会うのをまっていた。わたしにはあなたが背負うものの大きさがわからない。あなたは正しい。あなたはひとりだ。そしてわたしも。たぶんだれもが。南にこたえがあった。

November 4, 2009
November 2, 2009